認知症ケアで大切にしていること

普段は施設で主に認知症ケアの人と関わっているので、たまにはそのことにも触れてみようと思います。

みなさん認知症の人と聞くとどのように思いますか？

言葉が通じないとか、すぐ忘れるとか、周りのことがよくわかっていない。言ってみれば子どもみたいな人。

すぐにかっとなって怒り出す。人のものを平気で盗って返さない。意味もなく歩き回っている。怖い人。

そんな風に思っている人が多い様な気がします。

そうやってネガティブなイメージを持つことを「レッテルを貼る」なんて言いますがどうでしょうか？

僕自身も最初入職したときはすごく認知症の人と関わるのが苦手でした。特にリハを誘っても理解してくれないは、怒られるわで・・・。

ですがあることがきっかけで、克服したんですよね。

それは、「誰も誘えなかった認知症の人を誘うことができた時」です。よくいると思うんですよね、あの人は誰が誘ってもダメだよねっていう人(笑)。

まぁ僕はその人のことを全くよくわからずに、誘ってと言われたので、誘ったらできてしまった。

でもないですか？こういうラッキーパンチ的なことって。

実はこのラッキーパンチを再現することが、認知症ケアにおいてとても重要なことんです。

こういうラッキーパンチが起きているときってどんな時でしょうか？

【レッテルを貼らない】

　認知症ケアをするときに、この人認知症があるからという目線でレッテルを貼るとうまくいきません。ラッキーパンチのほとんどが「よくわからんけど・・・」だったりしませんか？つまりレッテルを貼らずに関われているんですよね。それで次に誘うとレッテル貼ってできなくなるみたいなことありませんか？

　認知症があるからという目線で関わるのは「リスク管理」だけで十分だと思います。余計なことをうだうだ考えながらやると大抵うまくいきません。

【誠実に対応する】

　レッテルを貼らずにかつ、うまく誘うには常に誠実な対応が取れていることが重要になります。レッテルを貼らずにかかわったのにカウンターパンチを頂いた方、どうでしょうか？言葉遣いとか配慮などはできていましたか？初めましてなのに、タメ口で面倒くさそうに関わればそりゃあ、認知症の人でなくても嫌な気分になりますよ。「なんだこいつ？」みたいに。丁寧に関われば「よくわからんけど、気分は悪くないな」ってなるもんです。普段から誠実に対応していないと、こういう突発的なところでぼろが出ちゃってカウンターを頂きます。

【笑顔】

　ちゃんと笑顔で関われていますか？「この人苦手だわー」ってひきつってませんか？笑顔には相手の警戒心を解くという効果があります。暗殺者も使うスキルです。笑顔でなれなれしく近づいて、ナイフぶっさすみたいに。特にメラビアンの法則なんかでも、視覚情報は大きなアドバンテージを持っていますので、とりあえず笑顔でやってみましょう。

夕方になると疲れた顔になるんで要注意。

当たり前といえば当たり前のことですが、認知症のある方の時はどうも油断しがちな気がします。どんな病気・障害があろうが相手は人間ですので、油断せずにいきましょう。